最新美肌ラボ

10代の頃の私は、若さゆえの弾けるような美しさに満ちていました。

その美しい自分を当たり前のことと受け止め、

美しい肌を維持するためには適切なスキンケアが重要だなんて、

想像することもありませんでした。

20代になると、出産を機に子育てと家事に翻弄される毎日。

初めての育児で右も左も分からず、次第に心にも余裕がなくなり、

自分のためにスキンケアをする時間的なゆとりも作り出せなくなりました。

専業主婦の私にとっては、少しでも節約して貯蓄に回すことが求められていたので、

スキンケアにもあまりお金がかけられなくなっていました。

ケアが行き届かないのは顔だけではありません。

ストレスなども影響もあって間食の回数が増え、

いつのまにか下腹には贅肉がつき、肩回りや腰回りもふっくらと丸みを帯びて、

気が付けば“おばちゃん体形”へとまっしぐらだったのです。

自分の姿を見るたびに、

「ああ、こんなに太って、すっかり変わってしまった」と嘆くことが多くなり、

いつのまにか鏡を避けるようになってしまいました。

そうはいっても、当時はまだ20代後半です。

「そんなに焦らなくても、今から始めればまだ間に合う。また元の自分に戻れるはず」と、どこか楽観視するような思いもありました。そして、自己流のスキンケアとダイエットを開始。自分なりにできる範囲で少しずつ取り組んでいったのです。

ところが、数日、数週間経っても、何をやっても思うような結果がでませんでした。

それどころか、何となく肌のくすみや小シワも気になるようになったのです。

どうして?なぜ効果が出ないの?

昔は何もケアしなくても、あんなにキレイな肌だったのに・・・。

10代の頃の自分と比べて、挫折感と失望感でいっぱいになってしまったのです。

人と自分を比べることも多くなりました。

独身を謳歌している同年代の友人はみんな肌もキレイで、シミもシワもないのに・・・。

鏡を見るたびにため息をつき、重苦しい気分で外出することもおっくうになりました。

辛かったのはママ友とのランチ会です。

普通におしゃべりをしていていても、自分の顔のシミやシワが気になって、

話に集中できませんでした。

「私のシミを見て嘲笑ってるんじゃないの」と、勝手に被害者意識になってしまうのです。

ご近所の人と何気なく挨拶を交わす時も、

相手に自分の顔を見られるのがイヤでうつむきがちになって通り過ぎていました。

今振り返ると、本当に辛くて悲しい日々でした。

でも、この頃私がやっていたのは、すべて自己流の間違ったケアだったんです。

必死にやればやるほど逆効果で、力を籠めすぎてシワもさらに深くなってしまい、

「こんなにシワシワの顔だから浮気されたんだ・・・」と自暴自棄になりました。

ダイエットのために無理な食事制限もしていたので、

有酸素運動をしようにもすぐに疲れてしまって長続きしませんでした。

出口の見えない毎日の中でストレスがたまり、ついにタバコを吸い始めました。

喫煙すればエイジングを加速させて老化してしまうと分かっているのに、

イライラ感が募ってしまい、どうしても辞めることができませんでした。

この頃は、メイクすることもイヤになりました。

ほうれい線の溝にファンデーションがたまってしまうようになったのです。

メイクで隠そうにもテクニックがないのでなかなかうまくいかないし、

ニコッと笑うと、ほうれい線が余計に目立ってしまうので、

ママ友とお茶をする時も口もとが気になって、笑顔になるのがこわくなりました。

精神的にもどん底の日々が続いていましたが、二人目の出産を経て30代になった頃からは

「もうこんな年齢だし、もういいや、どうしようもない」とあきらめの境地に入っていました。

そんな私にある日、大きな転機が訪れました。

数年ぶりに開催された高校の同窓会です。私は32歳になっていました。

こんなに大声で笑ったのは何年ぶりだろう・・・

久しぶりに会う友人たちと昔話に花を咲かせて盛り上がっていると、

ふいに仲の良かった男友達が近づいてきて、

「なんか・・・疲れてる? 昔はもっと可愛かったのになぁ」と言われたのです。

その瞬間のことは忘れられません。

目の前が真っ暗に暗転して、その場に倒れ込みそうになりました。

彼にとっては何気ない言葉だったのかもしれませんが

オブラートに包まない率直な言葉だからこそ、胸を深くえぐったのです。

それでも平静を装って、

「え~ひどいなあ、しかたないしょ、もうおばちゃんだもん!笑」

「そんなことを言うあなただって、もう立派な『おっさん』じゃん!お互い様でしょ」

と、軽口でやり過ごしましたが、内心は泣き崩れていました。

たしかに二人目を出産してからはさらに体重も増えて、

後頭部の抜け毛まで気になるようになっていました。

同窓会の会場をあらためて見回してみると、同級生の友人たちは若々しくて肌も笑顔もキラキラと輝いているように見えました。

顔はシワだらけ、太って体型がくずれてしまった自分が惨めで、

友人たちが内心で自分のことをせせら笑っているように感じてしまったのです。

そして、夫が浮気相手にメールした

「ただのおばさん」という言葉もフラッシュバックしてきました。

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